GraphQLとREST APIは、Web APIを設計する代表的な2つのスタイルです。それぞれに得意な領域があり、プロジェクト要件に応じて使い分けることで開発効率と運用性を最大化できます。本記事では両者を比較し、ユースケース別の選び方を整理します。
RESTとGraphQLの基本的な違い
- REST:リソース単位でURLを分け、HTTPメソッドで操作を表現
- GraphQL:単一エンドポイントに対し、クライアントが欲しいフィールドを指定して取得
クエリの違い
# REST
GET /users/1
GET /users/1/posts
GET /posts/123/comments
# GraphQL
query {
user(id: 1) {
name
posts { id title comments { body } }
}
}
項目別比較
- 取得効率:GraphQLは必要なフィールドだけ取得。RESTはオーバーフェッチが起きやすい
- エンドポイント数:GraphQLは1本。RESTは多数
- スキーマ:GraphQLは厳密な型システムを内包。RESTはOpenAPI/JSON Schemaで補強
- キャッシュ:RESTはHTTPキャッシュが効きやすい。GraphQLは独自実装(Apollo Client等)が必要
- 学習コスト:RESTは低い。GraphQLはスキーマ・リゾルバ設計に習熟が必要
GraphQLが向いているケース
- 多数のクライアント(Web・iOS・Android)で表示要件がバラバラ
- 関連データを1回で取りたい複雑な画面
- BFF(Backends For Frontends)として複数バックエンドを束ねる
- スキーマ駆動でフロント・バックを並行開発したい
RESTが向いているケース
- シンプルなCRUDが中心
- 外部公開API・サードパーティ連携
- HTTPキャッシュ・CDNを最大限活用したい
- 運用・モニタリング・認可設計をHTTPの常識に揃えたい
型安全のもう一つの選択肢:tRPC
TypeScript同士のフロント・バックなら、スキーマ定義を省略しつつ完全な型安全を得られるtRPCも有力な選択肢です。GraphQLほどの柔軟性は不要だが、RESTの型管理が辛い、というケースに最適です。
まとめ
「画面が複雑・複数クライアント」ならGraphQL、「単純CRUD・公開API」ならREST、「TS統一の社内アプリ」ならtRPCというのが基本指針です。無理に1つに統一せず、用途に応じて使い分けるのが現代の現実解です。